継母がこんなに幸せでいいのでしょうか!?村一番の嫌われ者だったのに、三つ子たちとコワモテ公爵に溺愛されて困惑中です

「私ね、こう見えても、結構いいところのお嬢さんだったのよ」

 リーズはエイミに、自分の生い立ちを語った。

 彼女はゴゥト王国との国境付近の街で生まれた。交易で賑わう大きな街で、リーズの家は裕福な商家だった。

「平民は平民だけど、何不自由ない暮らしで、適齢期になったらきっといい嫁ぎ先を見つけてもらってたんだと思う…でもゴゥト王国との戦争で、ぜーんぶ無くなっちゃった」

 エイミはなにも言えなかった。エイミの村は貧しい田舎だったが、それ故に戦争の脅威にさらされることもなかったからだ。

「足を怪我してて、お腹も空いてるし、もう一歩も動けないってなったときにね、アルが見つけてくれたの」

 辛い記憶はもうあやふやになっている部分も多いけれど、あの光景だけは今も鮮明に思い出せる。

「アルの背中に羽が生えているように見えた。あぁ、天使様が助けに来てくれたんだって」

 家族を失くしたショックから、喋ることも笑うこともしなくなったリーズにしつこく話しかけ続けてくれたのもアルだった。
 性格は見た目ほど天使じゃなかったけど、それでもリーズを救ってくれたのはアルだったのだ。

「アルと離れたくないの……そんな理由でお断りしたら、さすがのジーク様も怒るかしら」

 リーズは泣き笑いみたいな表情で、エイミに言った。

 エイミはぶんぶんと首を振った。

「怒るわけないです! ジーク様はリーズの幸せを一番に考えてくれますよ」