継母がこんなに幸せでいいのでしょうか!?村一番の嫌われ者だったのに、三つ子たちとコワモテ公爵に溺愛されて困惑中です

 なぜかはわからないけれど、アルに見られるのは嫌だと思った。似合うと言われても、似合わないと言われても、きっとどちらの言葉も喜べない。そんな気がした。

「これを着ていくの?」
「そうだけど……悪い?」

 大人ぶってもちっとも似合わない。そう言われるのだろうか。
 アルの答えを聞く前から、なんだか泣きそうな気持ちになる。

「別に。悪かないけど……」

 アルは言いながら、リーズのクローゼットを勝手に開けた。

「ちょっと! レディのクローゼットを勝手に開けるなんて失礼よ」

 リーズの目の前に、ふわりと一着のドレスが差し出された。春の花畑のような淡く優しい黄色のドレス、リーズの一番のお気に入りのものだ。

「なによ?」
「こっちのが似合う」

 アルは仏頂面でそう言った。