「莉茉」


家に着き、先に玄関に入って電気をつけていると絢くんに呼ばれ振り返った。…ら。




「…んっ?!」


急に抱きつかれ、そこでまた思考停止。

今日はよく思考停止をする日らしい。



「あったか。」

どうやら私、今人間カイロにされてるみたいです…。


「ひゃっ…!」


「…なにその声。」

「あ、絢くんのせい…!」


太ももに触った絢くんの冷たい手に、つい変な声を出してしまった。

…絢くん、意地悪な顔してる。









「遊佐となんかあったろ。」

耳元で囁かれた言葉に、つい反応してしまった。

…バレてたのか、それとも私の反応を見たのか。