「なんか、優奈ちゃんて本当天使だよなー」
「な、なんですかそれ」
「だってこんなに可愛いし、性格もいいし、味のセンスもいいし
なんか俺、優奈ちゃんに彼氏とかできるのやだなー」
「はは…どうせできませんし」
彼氏とか…私にできる日はくるのかな…
私にも彼氏ってできるのかな…
「ってかなんでそれを将人が言う?」
「え、だってなんか嫌じゃね?
だってこの優奈ちゃんを一人占めにされるんだぞ?
優奈ちゃんに彼氏とかできたら、理玖も優奈ちゃんを可愛がれなくなるぞ?
いいのか?」
…なんなんだ、それは…
っていうか、別に可愛がられてないし…
「ど、どうせ彼氏できませんから」
「そんな可愛いのにできないわけないだろ!」
「でも私恋愛運ないですし…
どうせ失恋ですもん。
私の好きな人は、私なんかに興味ありませんから」
優しいけど
その優しさは私だけに向けられたものじゃなくて、みんなのもの。
先輩の特別はたった1人だけだもん…
「……優奈ちゃんが健気すぎて泣ける」
「はは、伊藤先輩が泣かないでくださいよ」
せっかく、私の涙をとめてくれたんだから。
今日ここに来てくれてありがとうって、感謝の気持ちでいっぱいなんだから。


