「あ!もしかしてそれ、優奈ちゃんのクッキー!?」
理玖先輩の隣に座った伊藤先輩は、そういってクッキーを1枚取り出した。
「やっぱ優奈ちゃんのクッキーはうまいよなー!」
「あ…それなら余ってるからよかったらどうぞ」
「まじ!?さんきゅ!」
本当はマスターの奥さんの美里さんにあげようかなって思って持ってきたんだけどね。
まぁいっか。
なんか気合入れすぎてたくさん作っちゃったけど、食べてくれる人がいてよかった。
「あ、ならさ
あのミルクティーってここでも飲めない?
文化祭の!」
「え?あぁ…淹れられますけど…
でも先輩がミルクティーってちょっと意外ですね。
コーラとかもありますけど…」
こんな陽キャで、元気いっぱいの先輩がミルクティーって。
しかも茶葉三種の。
似合わない…なんて言ったら失礼だけど、意外だった。
「だってこのクッキー、文化祭の時と同じ味じゃん?
これも茶葉の香りするし」
「え?」
伊藤先輩の言葉に、理玖先輩が反応した。
「え、もしかして理玖気づかなかったのかよ!
だからお前はカフェオレなんか飲んでんのか!
これ絶対あのミルクティーの相方なのに!」
先輩、気づいたんだ…
「ってことで優奈ちゃん、あのミルクティーお願い!」
「…はい、少々お待ちください」


