「あ、優奈ちゃん!」
ん?
「あ、伊藤先輩もゴミ捨てですか?」
「そ。じゃんけん負けたのさー」
ゴミ置き場は外にあるから、靴箱で靴に履き替えてると、後ろから伊藤先輩もゴミ袋を持ってこちらに来た。
「優奈ちゃんがゴミ捨てなんて意外だね。
モテるから、男子に頼めばやってくれそうじゃん」
「そんなこと頼めないですよ!
それに、私は率先してゴミ捨てにきてるので」
「え、なんで?」
「…なんか、人生初のモテ期に少々疲れてしまって…」
「あ、告白?そっかー
モテるのも大変だなぁ」
「話したこともないし、名前も知らない人なんですけどね。
最近そういう人から好かれること多くて…」
同じクラスだと1人だけ。
他に告白されることってないんだよね。
やっぱり見た目だけなのかな…
「ま、話したこともない人とは付き合えないわな」
「…はい」
私たちはそんな話をして、ゴミ袋をゴミ置き場に置いた。


