17時、カフェオレ。




「…はは、なんか今めっちゃドキッとしちゃったよ」

「え?」

「俺が言われてるみたいで」


…先輩、私は
あなたに言ってるんですよ。

いつか、ちゃんと届く日がくるのかな。
先輩が私だけを見てくれる日がくるのかな…


「あ、そうだ。
もし将人に、俺とどこで仲良くなったか聞かれても言わないでくれない?」

「え?お店のことですか?」

「うん。お願い。
俺さっきめっちゃ聞かれたんだよね」

「私はいいですけど…なんでですか?」

「言ったらあいつ絶対ついてくるから。
なんか、将人には来ないでほしいんだよね。
あの空間が壊れるっていうか

落ち着いて話せないでしょ?」


え?それって…
…私と、ですか?私と話せなくなるから、嫌ってことですか?

そう受け取っていいんですか?先輩…


「…なんかそれ、ちょっと伊藤先輩に悪いですね」

「はは、まぁね。
でも、聞かれても内緒ね」

「はい」


そんなこと言われたら、絶対に言わないですよ。



「さて、そろそろ文化祭回ろっか」

「はい!」

「あ、でも俺と2人で大丈夫?
好きな人この学校じゃない?
勘違いされない?」

「…全然大丈夫です!」

「そっか。なら行こうか」