17時、カフェオレ。




「ほら、答えられないでしょ?」

「…そうですね」

「ただ、会えない分会いたい気持ちは強くなってる。
それだけは確実にそうかな」


空を見上げながら刹那にそういう先輩をみて、また私の胸は苦しくなる。
辛い恋をしてる先輩を、好きなら応援してあげるべきなんだろうけど

…どうしても、私は私の気持ちを優先する。


そんな先輩に私は、声をかけてあげられなかった。


「…優奈ちゃんも、好きなら好きって伝えた方がいいよ?
たとえ彼女がいたとしても」

「…そんなの、無理ですよ」

「え、どうして?」

「相手を困らせるだけだから。
…私の好きな人は優しい人だから、きっと私を傷つけないようにって考えます。
きっと、後悔させちゃうんです。
こんなこと言わなきゃよかった、とか…」


ねぇ?先輩。
私が好きだって伝えたら、きっと先輩は困りますよね。

私が今好きだって伝えたら、先輩はなんでそんなアドバイスしちゃったんだって後悔するでしょう?
どうしてこんな話しちゃったんだって後悔するでしょう?

それがわかるから、言うことなんてできないよ…


「…本当に好きなんだね」


先輩は優しい表情でそういうから

「はい、大好きですよ」

私は先輩の目を見て、真剣に伝えた。

私の真剣な表情を見て、先輩も真剣な表情になったけど
すぐに目をそらされてしまった。