17時、カフェオレ。




「はは、尊敬って。
そんな立派なものじゃないでしょ」

「でも私は両想いになったことないですもん。
告白されても好きになれないし…」

「…でも、実際相手の心なんてわからないもんだよ」

「え?」

「俺なんか、俺から告白してそれ受けてもらっただけだから
本当に俺のこと好きなのかなって不安にもなるし」

「え、先輩にもそういう悩みあるんですね」

「はは、まぁね。
好きな分、不安とか悩みは増えてくよ。
付き合っててもね」


…先輩は、それだけ彼女さんのことが好きってことだよね。
そう、だよね。

先輩から好きになったんだもんね…


「…先輩って、彼女さんのどういうところが好きなんですか?」

「え…んー難しいね」

「え、難しいですか?」

「うん。
優奈ちゃんも、好きな人のどこが好き?って言われて答えられる?」


私、は…
知的な雰囲気と、大人の雰囲気と、単純に顔で好きになった。
先輩のことを知れば知るほど好きになってった。
知れば知るほど、普通の高校生で…優しくてイケメンだけど、伊藤先輩と話してる時の理玖先輩は本当に普通の高校生で…

それでも、そういう先輩を見てますます好きになって…