「ごめんね、突然」
「い、いえ…
でもどうなってるんですか、いったい…」
私たちの教室から離れたころ、先輩が歩きながら急にそんなことを言ってきた。
やっぱり、約束はしてなかったよね…?
「あぁ、なんか将人があの子を誘いたいとか言い出して。
さっき誘いに行ってたんだけど、でも優奈ちゃんが一人になるからって断られてて。
だから俺が、優奈ちゃんと回る約束してるよって言ったの。
でも優奈ちゃんからそんなこと聞いてないって信じてもらえなくて。
まぁ当たり前だけど。
だからそのまま連れてきちゃった。
ごめんね?将人に協力させて」
「あ、いえ
それなら全然大歓迎ですよ!」
未希も、伊藤先輩のことかっこいいって言ってたし…
それに、私も先輩といられるなら全然…というか、むしろこんなうれしいことってないもん!
「どこか行く?お腹すいてない?」
「あー…ちょっと空いてます」
「よかった、俺も。
食べに行こうか」
「はい!…あ、でもご飯食べるようなクラスってありました?」
「俺パン買ってあるから。
それもって校舎裏でも行く?」
「えっ…」
まさかの、2人きり?本当に?いいんですか?
「あ、それか行きたいとこある?」
「い、いえ!校舎裏で大丈夫です」
「そう?よかった」


