8月下旬、お盆も終わり
もうすぐ夏休みも終わるというのに、高校はこのタイミングで登校日だった。
「優奈~!久しぶり!」
「あ、未希おはよ!
久しぶりだね!」
学校に向かう途中、同じクラスで仲良くなった栗原未希に会って、私たちは一緒に学校へと向かった。
「優奈、バイト始めたんでしょ?」
「あ、うん!
お店に張り紙してあって、そのままお店でアルバイトしたいですって言って、そのまま採用だったの」
「え、すご!
喫茶店でしょ?どんな感じ?」
「んーとね
昔ながらの喫茶店て感じ。
お客さんはみんな常連さんって感じだよ」
「あ、そうなの?おしゃれ系かと思ってた」
「はは、そっち系ではないかな」
でも、家庭的で温かくて
ああいう雰囲気が好きな私はすごく居心地がいいんだ。
「時間も2時間だけで、がっつり働きたいわけじゃない私にはちょうどいいんだよね」
「時給900円だっけ?」
「うん。だからたぶん3万ちょっとくらいしかもらえないんだろうけど、私には十分かなぁって。
ほら、お母さんとかも勉強しろってうるさいしさ」
そんな会話をしながら学校に到着。
靴を履き替えようと私の靴箱を開けると”桃瀬優奈さんへ”と書かれたお手紙が入っていた。


