なにか会話があるわけじゃない。
ただ、カウンター越しに立ってるだけの私と、カウンターに座る彼の2人きりの空間が、私はとっても好きだった。
「ごちそうさまでした」
「ありがとうございます。
230円です」
たった、それしか会話はないんだけど
たった20分ほどの時間なんだけど
私はその20分が、とっても貴重な時間だった。
彼が帰って10分ほどして、マスターが帰ってくる。
16時から18時までしか働いていないけど、その彼のためにバイトを募集してくれたマスターに、感謝の気持ちでいっぱいなんだ。
出会わせてくれてありがとう、ってね。


