「どう?味」
「んー、意外と普通ですよ。
ちょっとガムシロ多めにすれば普通においしそう」
そういって、私は勝手にガムシロを足す。
「ん、これはこれでおいしいですね」
なんか、普通のコーヒー牛乳みたい。
あそこまでコーヒーは濃くないけど、そこまで変じゃない。
「えー、なんかちょっと気になる」
「理玖先輩にはいつものカフェオレがあるじゃないですか」
「でもちょっと気になる」
「でも普通にそっちの方がおいしいですよ」
それに、作ろうと思って作ったものじゃないから、たぶんもう二度と同じものは作れないしね。
「ね、今日なんで元気なかったの?
さっき考え事してたからミルク多く入れちゃったんでしょ?」
「あー…
なんか、数学思ったよりできなくて…
せっかく先輩が教えてくれたのに、自信なくて…」
「あぁ、なんだそんなこと?」
「そんなことじゃないです!
先輩の時間まで使ったのに…」
せっかく、遅くまで教えてくれたのに…
全部埋められなかった…
「ま、それはそれで仕方ないじゃん。
受験なわけじゃないんだし、赤点さえ逃れられれば大丈夫だよ」
「そりゃそうですけど…」
でもこれで点数悪かったら、本当に申し訳ないよ…
「それにテスト返ってくるの明日じゃん。
落ち込むのはまだ早いよ?
実際点数見てみないと。
ね?」
「…はい」
「はい、元気だそ」
…先輩は、いつも優しいな


