それからまたバイトを頑張り、私はテストに挑んだ。
…なんか、あんまり自信ないや…
大丈夫かな、点数…
「優奈ちゃん?今日元気ないね」
先輩のその声に、ハッとした。
「あ、あぁ!!」
「え、どうしたの」
「…なにをしてるんだ、私は…」
呆然としてる私を見て、不思議そうに先輩はカウンターを覗き込んできた。
「あ、はは
牛乳多すぎだね、さすがに」
「ごめんなさい…作り直しますので少々お待ちを…」
「え、それでいいよ?」
「だめです!!
こんなの出したらマスターに怒られちゃいますから。
これは、私が買うのでいいです」
私はそう言って、もう一回グラスを取って氷を入れ、コーヒーを注いだ。
それと、普通より少し多めの牛乳。
これが先輩のカフェオレだ。
「お待たせしました」
「ありがとう。
…優奈ちゃんも一緒に飲む?」
「え?」
「ほら、今ほかにお客さんいないし、マスターもいないし。
もしそれ飲むなら、今一緒に飲もうよ」
「…はい、飲みます」
私は、自分の失敗したカフェオレにもストローを差した。
「はい、かんぱーい」
「はは、かんぱーい」
ストローがささったこのグラスでは似合わないけど、なぜか私たちは乾杯してカフェオレを飲んだ。


