17時、カフェオレ。




私たちは肩をならべて、私の家に向かって歩いた。

…なんていうか、
今日、お店行ってよかったぁぁ!!

先輩に会えたし、2時間も勉強教わっちゃったし、帰り道まで一緒なんて…
神様、ありがとう!!


「優奈ちゃんと歩くの初めてだね」

「あ、そうですね。
いつもお店でしか会わないですもんね」

「…俺も、こんな風に女の子と歩くの久しぶりすぎてなんか照れるわ」


えっ…それって…


「理玖先輩も、彼女いないんですか…?」

「んー、まぁいるにはいるんだけどね」


……ガーン。
ま、まぁそりゃそうだよな…
いるよね、彼女くらい…

だってかっこいいもん…優しいもん…


「でもあんまり会えないから、こうやって歩くのは久しぶり」

「え…?
会えない、んですか?」

「うん。高校卒業して、海外行っちゃったから」


…年上って、こと?
先輩、年上が好きなんだ…


「…そんなに遠距離じゃ、会えないですよね…
寂しくないですか?」

「んー、今はそんなに寂しくないよ。
もう慣れちゃった」


そういう先輩の笑顔は、やっぱりどこか寂しそうだった。
そりゃ、そうだよね…
好きな人が会えないなんて…私なんて、今日ですら会いたくてお店に行ったのに…


「…そんなの、慣れないでください」

「え?」

「寂しいです。好きな人に会えないのは」


きっと、先輩も本当は慣れてないんだよね。
寂しさ隠してるだけで。

…わかってる。わかるよ…