「言っとくけど、俺も初めてだからね?」
「え?」
「今のが俺のファーストキス。
なんか、初めて彼氏っぽいことしたや」
は、初めて…
そういえば前に、伊藤先輩に
りっくんはキスすらしてないって教えてもらったっけ…
「…あ、ミルクティーの味…」
初めてしたキスは、私の淹れてりっくんが飲んだミルクティーの味がした。
「ん、優奈ちゃんの味だね」
「違いますよ。
りっくんの味です!」
「…じゃあ、ふたりの味ってことで」
ふたりの味、か。
…へへ、嬉しいや。
ずっとカフェオレしか飲んでこなかったりっくんから、今は私の淹れたミルクティーの香りと味がする。
私の作った、私のミルクティー。
それを好きな人から感じられるなんて
こんな幸せなこと、ほかじゃ知らないよ…
「…優奈ちゃん
おかわり、ください」
「…はいっ!」
ミルクティーを飲んでそういうから、私はまたミルクティーを淹れようと立ち上がった。
…けど、違ったみたいで。
「んっ」
さっきよりも濃いミルクティーの味が、私の中に広がった。
「…もう、好きすぎてやばい」
「…それ私のセリフですから!」
「俺、ここに通っててよかった。
これからもずっと17時にくるからね」
「…はい。
ミルクティーを準備して、お待ちしてます」
E N D


