「……てかさ
俺のこと名前で呼んでよ」
「え、理玖先輩?」
「だから先輩はいらないって。
はい、理玖」
「え、えぇ!?」
り、りく…なんて…
恥ずかしくて呼べないよ!!
先輩なんだもん!!
「……ま、ゆっくりでいっか。
焦ることないよね」
先輩はいつもの優しい笑顔でそう言った。
…うん、焦ることはない。
時間はいっぱいあるもん。
…でも、
「……りっくん」
「え?」
「りっくんって、呼んでもいいですか?」
少しでも、先輩に近づきたくて。
「……なにその可愛い呼び方」
「えっ…、だめですか?」
「ううん、だめじゃない。
いいよ、それで」
そんな話をしていたら、マスターがお店に帰ってきた。
「あれ、早いですね」
「何言ってんの。
もうしっかり17時半だっての」
マスターに言われ時計を見ると、本当にあれからもう1時間たっていた。
…先輩との1時間はあっという間だなぁ…


