17時、カフェオレ。




え、嘘だろ…?
だってまだ1週間くらいしかたってないのに…

また、俺は待つだけ…?

…こっちに完全に帰ってきたわけじゃなかったんだ


「……そか」

「ごめんね、今日はそれだけ伝えたくて。
私、ここで理玖が待っててくれて嬉しかったよ。

また私、向こうで頑張ってくるよ!」

「……うん。
次はいつ頃戻ってこれるの?」

「…それはわからないや」

「そっか」


また、いつ来るかわからないその日をここで待つのか。
連絡もくるかわからないけど…気長に待つしかないよな。

…向こうでひとり、頑張ってるんだもんな。


「じゃあ、行くね」

「ん。いってらっしゃい」


俺が手を振ると、紫那は手を振り返して店を出て行った。
出されたカフェオレはしっかり飲み干して。

…紫那は、マスターと優奈ちゃんのカフェオレ、どっちが好きだったんだろ。
俺は優奈ちゃんが淹れたカフェオレの方が好きだけど…

甘いのが好きな紫那はきっとマスターの淹れたカフェオレが好きだったんだろうな。