17時、カフェオレ。




「お待たせしました」

「あ、ありがと」


持ってきた優奈ちゃんを見ると、優奈ちゃんの腕には包帯が巻かれていた。
そしてコーヒーの香りに負けない、湿布の匂い…


「昨日のとこ、痣になっちゃった?」


俺がそういうと、優奈ちゃんはそこを隠すように掴んで、俺に背を向けた。


「ごめんね。俺いたのに…」

「……別に、先輩が悪いわけじゃないので」

「昨日あのあと将人とちゃんと帰れた?」


俺がそう聞いても、もう返事は来なかった。


…昨日、腕赤くなってたもんな。
かなり強く掴まれてたんだろうな…

痛いって言ってたし…


…俺が、ちゃんとそばにいなかったから。
俺が先に歩いてったから、優奈ちゃんがいなくなったことにもすぐに気づけなくて…

俺がワッフル連れてかなければ帰りだって遅くならなかったし、繁華街に行くこともなかったのに…


優奈ちゃんはなにも悪くないのに関係ないとか言って
自分で言っときながら関係ないわけないとか怒鳴って

俺、もう嫌われて当然だよな…