「お待たせしました」
「あ、ありがと」
持ってきた優奈ちゃんを見ると、優奈ちゃんの腕には包帯が巻かれていた。
そしてコーヒーの香りに負けない、湿布の匂い…
「昨日のとこ、痣になっちゃった?」
俺がそういうと、優奈ちゃんはそこを隠すように掴んで、俺に背を向けた。
「ごめんね。俺いたのに…」
「……別に、先輩が悪いわけじゃないので」
「昨日あのあと将人とちゃんと帰れた?」
俺がそう聞いても、もう返事は来なかった。
…昨日、腕赤くなってたもんな。
かなり強く掴まれてたんだろうな…
痛いって言ってたし…
…俺が、ちゃんとそばにいなかったから。
俺が先に歩いてったから、優奈ちゃんがいなくなったことにもすぐに気づけなくて…
俺がワッフル連れてかなければ帰りだって遅くならなかったし、繁華街に行くこともなかったのに…
優奈ちゃんはなにも悪くないのに関係ないとか言って
自分で言っときながら関係ないわけないとか怒鳴って
俺、もう嫌われて当然だよな…


