「おいしかったね」
「はい!
…今日、連れてきていただいてありがとうございました」
「いえいえ。
まぁ、俺が連れてきたかっただけなんだけどね」
…って、あれ?
さっき私、先輩と2人でここ来るの、拒まなかった?
拒んだよね!?
「私…、先輩と2人でここ来てよかったんでしょうか…」
「え、なんで?」
「だって彼女差し置いて私が先輩と2人で…」
「あぁ、いいって。
俺が連れてきたかったって言ったでしょ?」
「…彼女、怒りませんか?」
「さぁ?どうだろ」
「えっ…!」
「でも俺の意思だから。
優奈ちゃんはなんにも気にすることないよ」
先輩はそう言って、いつもの優しい大人の表情で笑った。
「…あの先輩
どうしていつも喫茶店でしか彼女さんと会わないんですか?」
「え?んー、なんでだろ」
「私だったら、好きな人といろんなところに行って、たくさん思い出作りたいです。
…先輩は、そういうのないですか…?」
いつもいつも喫茶店ばっかりで。
時間も30分だけで。
しかもいつも私かマスターがいる空間で。
先輩はそれでいいのかな…
「彼女が望まなきゃ、俺は別にいいよ」


