私はカウンターから出て先に伊藤先輩のティーカップを下げ、テーブルを拭いてから
紫那さんのグラスを取りに行った。
「これ、先に下げますね」
「あぁ、うん」
残ったのは理玖先輩だけ。
先輩もそのカフェオレ飲み終えたら帰るんだろうけど、さっきまでいたあの2人がいなくなったら、このお店は本当に静かになった。
「…けっこう、将人と仲いいんだ?」
「え?あぁ…」
「お昼も一緒に食べたんでしょ?」
「…はい。ちょっと話があって…」
「そっか」
先輩はそういって、カフェオレを飲み干した。
「なんか、俺の方が先に仲良くなったのに
俺より将人の方が優奈ちゃんと仲良くてなんかちょっと悔しいよ」
先輩はそう言いながら笑ってるけど、眉は少し歪んでいた。
…これも、少し嫉妬といっていいのかな…
「そ、そうですかね…」
「うん。
優奈ちゃん、俺には先輩って感じで接するけど、将人には友達って感じで接するから。
俺といる時より楽しそう」
そ、そりゃ…先輩のことは好きなんだもん…
伊藤先輩の方が気が楽だし…やっぱり、理玖先輩は緊張するもん…
「…先輩は彼女さんがいるので…なんか私と仲良かったら、彼女さんに悪くて…」
そしてこれも本音。
やっぱり理玖先輩の一番は紫那さんだから…紫那さんとケンカもしてほしくないから、カフェでは先輩とはなかなか話すことなんかできないよ…
それに、仲良くなったら
私の気持ちの整理もつかないし…
「……そっか」
先輩はそう言って立ち上がって
2人分のお金を置いてお店を出て行った。


