「ふーん?そうなんだ」
紫那さんはそういって、理玖先輩の目線を戻した。
…にしても…
「…どういうことですか」
私は小声で、伊藤先輩に訴えた。
先輩はそんな私に手でこっちに来いと合図してきたから、私はできていた紅茶を持って、カウンター席に座る先輩のところまで向かった。
別に出なくても渡せるんだけどね。
「もう、何言ってるんですか」
紅茶を持ったまま小声でそう聞くと、先輩は「ありがとう」と言って紅茶を受け取った。
「ごめんごめん、だってあの人追及しつこくて…
適当なこと言わないと話終わらないから、つい」
「理玖先輩に変な誤解されますよ」
「…まぁ、理玖は俺に優奈ちゃん取られたくないから、ちょっと焦るんじゃないかな」
「そんなわけないじゃないですか」
全く…とあきれて、私はまたカウンターの中へと戻った。
……にしても、確かに紫那さんて、私に対する態度と伊藤先輩に対する態度、けっこう違ったな…
まぁ私はただの店員、先輩は知り合いって時点で違って当然なのかもしれないけど…
もしかしたらただの人見知りかもしれないし。
でも、理玖先輩に会いに来てるなら、理玖先輩とずっと喋ってればいいのに。
伊藤先輩のことなんか、どうでもいいじゃん…


