17時、カフェオレ。




「あの2人さ、付き合ってすぐ遠距離になったから…
だからたぶん、新鮮な気持ちでいられるんだろうな」

「そう、なんですね」

「ってか、会えなかったから、その分気持ちが高まってったんじゃね?」

「会えないから、気持ちが高まるんですか?」

「そうそう。
会えないから、何度も思い出して、何度も思い出すから何度も好きになる。
常に会える人とはちょっと違うと思うんだよね」


…会えない分、好きになる…


「……それじゃ、毎日会える私とは正反対ですね」

「でも、気づけないだけで
本当は失いたくないって思ってるかもしれないよ?」

「それはないですよ。
私失ったところで、理玖先輩にはなんの影響もありませんから」


実際いなくなったところで、先輩にはなんにも影響はない。
彼女が戻ってきた今となっては寂しいとすら思われないんだろうな…


「…そういえば、伊藤先輩は理玖先輩と彼女さんが付き合ったきっかけとかって知ってますか?」

「あー、まぁ知ってるよ?
俺理玖と中学も一緒だから」

「知りたいです!!」

「え、俺が話すの?」

「はい、卵焼きあげますから」

「いやいいわ!俺にも入ってる!」