『蓮なんて大っ嫌いー 』


最後に私はそう叫んでしまったんだもん…


たしかにあの時は意識が朦朧していて

押さえつけされたのが怖かった…

でも、最後にあんなこと
言うなんて…とりかえしのつかないことをしてしまった。


「蓮…ごめんね… 」




つい2ヶ月前までは…自分死ぬなんて
存在が消えてしまうなんて想像もしていなかった。


優しい友達 家族に囲まれて

初めて恋をする感覚に戸惑いながらも
毎日幸せを感じていた



なのに突然白血病になんて…なって

病院だって大嫌いだったのに…

今まで幸せだった分絶望の底に落とされて
現実逃避もした。

だけど、蓮が私を守るって言ってくれたから
頑張らないとって思えたんだよ。


死ねならせめて蓮に
『ありがとう』って言いたかった。



「ウッ…グスン 」

シーンとした空間に泣き声がひびく。

もっと蓮と、一緒に過ごしたかった。
もう一度だけ会って謝りたい。
考えれば考えるほど、涙が出てくる。


何もない。誰もいない。
そんな空間だからよけいに苦しい。


きっと私はもう笑うことはできないんだろうな。