「結愛、大丈夫なの? 」

蓮はもっと、私が抵抗すると思っていたみたいで
驚きながら心配した表情になる。

入るのがあたりまえのことなのにね…


「だって………どうせやるんでしょ ?
抵抗したって疲れるだけじゃん 」

今は何も感じないようにする。
そうしないとまたやつあたりしてしまいそうだから…


「………結愛 」


なんで蓮が泣きそうになるの ?

いたって普通のことを言ってるだけなのに。

今まで抵抗ばかりしていたけど、
今日は困らせないようにしているからそんな顔しないでよ。



「蓮、私は大丈夫だよ 」


自分でも引きつっているのがわかるけど
笑顔を作る。


「結愛、点滴刺すよ 」


納得していないような蓮。

だけど、そろそろ仕事の時間なのか
私の腕をとり点滴を刺す。


「………痛っ 」

どんなに我慢しようとしても刺される痛みだけは
我慢できなくて声を出してしまう。


点滴のときでさえビニールの穴からしか
手を入れられないみたいで虚しくなってきた。

気軽に触ることもできないんだよね。