「あっ、ごめんね…
話してたらつい時間たっちゃったね 」


「ううん、全然大丈夫だよ 」


蓮だって仕事忙しくてなかなかこれないし

いくら元気とはいえ1人は寂しいから
助かったよ。


美月が病室のドアを横に引こうとすると

香帆が美月の手を掴む。


「美月、大事なこと忘れているよ
プレゼントは ? 」

「あっ、そうだった。持ってきて忘れるとかバカじゃん私 」


最初ピンとこなかったけど、
かわいいサンタクロースの包装紙のプレゼントの箱を見て、それが何なのかわかった。


「結愛、クリスマスプレゼントだよ 」


「私からもあるよ 」


すごく嬉しいけど…

「ありがとう。でも私何も用意してないよ 」


もらいっぱなしは悪いし
外出許可でももらえれば、すぐに買いにいくけど…


「結愛が元気なら、いいよ。そんなの 」

「また、来年、結愛が元気になったら
ちょうだい 」

「………うん 」


来年って…なんか少し切なくなる。

私、ちゃんと生きてるのかな。



「じゃあ、結愛バイバイ。
またくるね 」

「またね 」


一瞬くらい考えもよぎったけど
2人に手を振った。