「ごめん、来ちゃった」
玄関の扉を開けると、志葉は右手を上げてへらりと笑った。
いや、「来ちゃった」じゃないんだけど。
なにそのノリ。昼ドラでありそうなやつじゃん。
え、何言ってるんだろう私。
ていうか志葉ってこんなぶっ飛んでる人だっけ。
変人だ。私よりずっとずっと変。
なんで志葉ってモテるんだろう……って、顔が良いからか、納得。
「…なんでいんの、」
「早退した」
「、なんで?」
「ゆらのちゃんが心配だったから」
「……名前で呼ばないで」
「あと怒ってる理由も聞きたかったから」
「……怒ってない」
「うん。とりあえずさ、中入れて貰うことってできる?」
「浅岡家の両親は過度な親バカなので可愛い娘が熱を出したら仕事を休んで看病するという一連の流れがありますつまり きみのことを家の中に入れることはできません」
「浅岡家はお父さんは単身赴任していてお母さんは日中は仕事に出てる。基本自由主義で、お母さんとは仲良し。忘れてないよ。だから狙って来た」
「うっ、」
「お邪魔しまーす」
「っご、強盗反対…!」
覚え過ぎだし正直に言い過ぎだと思う。「狙ってきた」なんて言われたら、そんなの拒否する理由が見つからないじゃないか。
ああ、もう。家に2人きりなんて逃げ場がない。
こんなことなら学校に行って避け続けることに専念すべきだった。
……まあ、そうしてたとしても最終的には捕まっていたとは思うけど。



