すぐに温かい──むしろ熱すぎるご飯を用意してくれて、2人で食卓を囲む。
お父さんは仕事で県外に単身赴任をしているので、この家に住んでいるのは私とお母さんだけ。お父さんとは頻繁に連絡を取りあっているし、家族の仲は至って一般的だ。
私が学校で変人だと呼ばれているのは遺伝子レベルの話。夏に鍋やおでんを平気で晩御飯の献立に考えるお母さんの血を完全に引き継いでしまったみたいだ。
お父さんも呆れているみたいだけど、そんなお母さんが可愛くて恋をしたのかなあ、と時々思う。
「お母さんあのね、」
「あら、例の男の子の話?」
お母さんとは仲が良い。志葉の話だってもうとっくに教えている。「ゆらのは悪い女ねぇ」なんて言うけれど、その後すぐ高確率で「でもお母さんもきっとそうしちゃうな」と言って笑うんだ。
あのね、志葉にね、彼女がいたんだよ。
ポニーテールが印象的な女の子だったんだ。
腕を組んで歩いてた。
志葉、全然その腕を振り払わないの。
志葉ってポニーテールしてる女の子が好きなのかな。
志葉の嘘つき。最低。
『浅岡には俺だけでいーのに』
そういうくせに、志葉は私だけじゃ足りないんじゃん。



