わかりきったことだけを、






来た道を帰る志葉の背中を見送る。

あの先の角を志葉が曲がったら家に入ろう。
いつも心にそう決めて志葉の姿が完全に見えなくなってから私は家に入るようにしているけれど、今日だけは違った。


志葉が曲がる角は交差点になっている。彼が曲がる方向とは別の方向から飛び出してきた女の子の姿。

暗くてよく見えないけれど、スカートを履いていて、長い髪をポニーテールにしているようだ。

彼女の姿を捉えてすぐだった。




「……志葉……、?」



ぽろりとこぼれ落ちた私の声が、視線の先の志葉と、​──彼に抱きついた彼女に、届くことはきっとない。