「……志葉、寝るの?」
「…寝ない。熱冷ましてる」
「熱…」
「ん、浅岡のせい」
「全部私のせいにするのはダメだよ志葉くん」
「……うるせー」
白いワイシャツ、2人きりの教室、夏。
こっちを見てくれない志葉と、少しだけ高鳴る私の心臓。
最近の志葉は分かりやすい。
私のこと好きだから照れる。
私が可愛いから見つめられると顔が赤くなる。
ふうん、そっか。
志葉って、めちゃくちゃ私のこと好きなんだ。
モテる志葉に好かれているということを嫌でも自覚させられる。別に嫌じゃないけど。
志葉は私と付き合いたいのだろうか。
好きとは言われたけど、その先の要望は何も言われていない。



