「ね。前のシャンプーやめたの?」

「やめたっていうか…」

「ん?」

「…………やめた」

「なんだそれ。気になる」




私に預けていた重心を起こした志葉に 顔を覗き込まれる。咄嗟にベッドの上で距離を取るも、背もたれ代わりにしていた壁にぶつかってしまった。


志葉の手が伸びてくる。



「…ぬ、」

「すごい。ほっぺ潰されても可愛いって最強じゃない?」




ムギュ。


片手で両頬を潰された。絶対間抜けな顔をしているはずなのに、サラッと可愛いと言われて返す言葉が見つからない。


…て、いうか。


なんでシャンプー 変えたこと気付いてるの。
嗅覚敏感過ぎない?犬なの?



「犬じゃないけど、浅岡の匂いはわかるよ」

「…ぐぁ」

「なにそれ」