「…なー、浅岡」



寝ると言ったはずの志葉に名前を呼ばれた。「ん?」と返せば 志葉は閉じていた目を開ける。



「シャンプー変えた?」

「え、セクハラ?」

「彼氏の特権って言って」

「乱用しないで」




ホント、その特権を変に乱用しないでほしい。


至近距離だから自然に香ってきたのかもしれないけど、志葉は素直すぎると思う。

何でもかんでも言葉にされたら私だってはずかしいわけで、だ。




「……志葉、寝るんじゃないの」

「寝るけど」

「けど、なに」

「浅岡がいい匂いすぎて眠気覚めた」

「セクハラで逮捕します」

「ごめんって」




志葉はもう少し発言を考えて欲しい。それを言われる私の身にもなってくれ、と本気で思う。


逮捕。有罪。ギルティ。