「なんかいわれたの？」

「いや、聞こえた。偶然」

「なにを？」

「……浅岡のこと狙ってるって」

「えーそうなの？」




ふうん、そうか、この無駄に良いと噂の顔面は学年を飛び越えて認知されているのか。志葉以外に褒められてもべつに嬉しくはないけどなぁ。




「みるからに経験値がありそうな1年が言ってたんだよ…」



私の気の抜けた返事にふいっと視線を逸らし、小さな声で言葉を続けた。






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