「志葉のいとこに会った」
「え。京也?」
「『脳みそ鍛えた方がいいですよ』ってバカにされた」
「うえ。ごめんすぎる。遭遇する可能性とか全然考えてなかった」
「羽瀬くん、頭いいのにフミちゃんに教えてもらうことってあるの?」
素直な疑問だった。私の問いかけに、志葉は「あー」とお思い出すように声を洩らす。
「あいつ留学するらしいんだよね」
「え、留年?」
「それは浅岡」
「志葉ぁ…」
「あ、いや、しない。しないでほしい、まじで」
「……」
「留学っていうかホームステイっていうか。わかんないけど、とにかく春休みの間アメリカに行くらしい」
ああ、なるほどと、すんなり理解できた。
元々の頭の良さもあるだろうけれど、多分、人より英語の勉強をちゃんとしてるんだと思う。
2年生の範囲は先取りしてやっていたのかもしれない。
…だとしても先輩である私にもっと敬意を払ってほしかったとも思うけど。
英語科準備室でフミちゃんといたのも分かった。多分留学に関する質問だったり、応用だったりをおしえてもらっていたんだ。
なるほど。
結論から言うと、やっぱりめちゃくちゃ頭がいいんだな、彼は。



