わかりきったことだけを、






先生にすぐ教えてもらえるようにと該当ページを開いておいたノート。そこには綺麗な字で解説が書かれていた。

『だいたい①で解ける。できなかったら②か③』

と、解き方を数字で割り振ってくれていて、バカな私でもわかる、程よく適当な日本語で説明されてある。


細くて薄い筆圧で書かれているのは、彼の言った通り、不要なときに消しやすいようにだろう。

この数分でここまでしてくれるなんて。
志葉のいとこ、できる奴すぎるのではないか。




「あの、本当にありがとう」

「いいえ。まあ、普通にもっと脳みそ鍛えた方が良いとは思いますけど」

「羽瀬くんはもう少し先輩を敬った方が良いと思う」

「バカは嫌いです」

「直球過ぎる」

「後輩に勉強教えてもらうこと自体不可解」

「きみが勝手に教えたしきみの頭脳レベルがそもそも不可解」

「あらあら、仲良しねぇ、2人とも」





何処がだ、と心の中で突っ込む。
先生眼鏡の度数合ってるかな。

今のやり取りを見てどこが“仲良し”に結び付くのか教えてほしい。