わかりきったことだけを、






「時に志葉くん、お願いがあるんだけど」
「…あ、あるんだけど」

「……なにかな、浅岡さん、と、姫宮さん」

「今日の夜の作戦に協力してくれないかな」
「してくれないかな…!」

「作戦?」

「志葉の協力がないとダメなの。絶対協力して」

「拒否権ないんだ。いいけど」

「志葉くんお願いします土下座土下座土下座」

「あれ、姫宮ってそんなキャラだった?」




翌朝。

ホテルのロビーで点呼が行われた後、私と弥生ちゃんは、お花畑くんがトイレに行った隙に志葉に事情を説明していた。


お花畑くんがいつ帰ってくるか分からなかったので、2人が実は幼なじみで、ちょっと清算したいことがあるから今夜ホテルに帰ったら、どこかのタイミングで志葉たちの部屋に2人きりにして欲しい との旨を伝える。


「詳しい事情はあとで説明するから」と言えば、志葉はあっさり了承してくれた。





「幼なじみだったんだ」

「そうなの。けど全然一緒にいないから同中の人でも忘れてる人が多いと思う」

「ふうん。で、姫宮はあいつが好きだから今日告白するってこと」

「うん……って、え!ち、違うよ!」

「え。違うの?」

「ちょ、志葉デリカシーないよ。サイテー」

「え、ごめん」


「あれ、なんか盛り上がってるー」



ぎくり。その声に、志葉も私も弥生ちゃんも言葉を噤む。分かりやすいほど全員黙ってしまった。

トイレから帰ってきたお花畑くんが「んん?」と怪しげな目を向ける。