わかりきったことだけを、







「ちょ、いいから花畑…、」

「弥生は黙ってろ」



比較的距離が近かった私と志葉には2人のそのやり取りがちゃんと聞こえた。多分、女の子たちには聞こえてないだろう。



「ダメダメ、2人とも可愛いんだから。姫宮のこと妬まなくたって大丈夫大丈夫」

「花畑くん…、」

「悪口はさ、女の子から可愛さを奪っちゃうから。やめよ?ね?」



諭すように女の子たちにそう言って、「ほら、もう行きなー」とキラキラの笑顔を浮かべ手を振る。

『俺結構有名なのに』という、いつかの彼が言った言葉にようやく納得した。



「さ、俺らも行こー」




遊び人の花畑くん。誰にでも優しいクズな男。

だけどその優しさは、この場においては何よりも正義だった。