「俺からすれば平凡とは思わないけどね」


「そ、そうかな……?」


「さっきみたいに笑った顔限定でね?」



呼吸すら忘れるかと思った。

限定……だなんて言われてるのに、それが嬉しいとか思ってる。


これまでにないほど、鼓動は一気に加速していく。



「……っ、私が笑った顔……限定?」



首を傾げる私と虹くんの視線と視線が交差する。



「あの、それとはどういう意味なの虹くん!」



真剣に虹くんを見る私と、気のせいかと思う程度だけど顔が赤い虹くん。


見つめ合うこと数秒……。


ふいっと、先に視線を逸らしたのは虹くんの方だった。


勝った……!


……じゃなくて、虹くんってば、どうしたのかな。



「……エアなわとび50回」


「え!?」


「俺からのミッション」


「虹色ミッション!? 鬼すぎるんですが!」



結局、意味がわからないまま過酷なミッションを下されたのだった。