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こうしちゃいられない!
私は翠から聞いた男子寮の冷血寮長様のことを思い出し、真夜中のミッションに備えることにした。
ほふく前進もすっかり特技と化した私は、夕飯を済ませたあと今夜も無事に707号室へと帰還した。
虹くんはこちらに背を向けてベットで横になってる。
今日は虹くんを独占している深恵くんが離れたのと引き換えに、女子が群がってべったりだった。
だからひとりになる時間もなくて疲れたのかな?
そんな虹くんのお昼寝を妨害するわけにはいかないので、サイレントにトレーニングを行うことにした。
だがしかし、これが全ての間違いだった。
ぴょんぴょんとその場で私が数回跳ねた直後……
「おい、大丈夫か」
虹くんがこちらへと振り返った。
「えっ、あの……起こしちゃった!?」



