「……な、なにそれ……っ、そんなこと言われたら、またすぐ虹くんに会いたくなっちゃうっ!」


「来ればいいだろ? ここはお前の部屋でもあるんだから」


「で、でも……っ、この寮ではお兄ちゃんが目を光らせてるだろうし……」


「じゃあ今度は俺が会いにいく」


「……虹くんが? それ……新しいミッション?」


「ぷっ。またミッションかよ」



呆れたみたいに笑った虹くんに、私は意を決して口を開く。



「わかった! 私今日は、ここで張り込みする刑事になる……っ! だから、申し訳ありませんが……今日は帰れないっていうか……」



また呆れられるかなって思いながら、チラリと目を上げると、



「だから、そうやって可愛いこと言わないで?」



口をすぼめた私の顔を持ち上げて、自分の方へ向かせた。