カードを読んだ私の目から大粒の涙が溢れ出した。
あっという間に、虹くんがくれた言葉が滲んでいく。
……ねぇ、虹くん。
やっぱりズルいのは、虹くんの方だよ。
もういてもたってもいられなくて、カードを握りしめた私は部屋を飛び出した。
たった今、この部屋に引越してきたばかりだというのに。
学校に行けば、虹くんに会えるのに。
もしかしたら、泣きながら全力疾走する私を不審に思う寮生がいるかもしれない。
お兄ちゃんに見つかって、今度こそ大目玉をくらって罰を受けるかもしれない。
……それでも構わない。
今、私は虹くんに伝えたいことがある。



