「──宝物は見つかったのか?」 その時、扉の方から聞きなれた声が飛んできた。 ビクリと肩を揺らして、虹くんの腕の中から飛び出した。 「……えっ!? お兄ちゃん!?」 なんでここに……? まさか、忍び込んだことがバレた!? 「電気くらいつけろよな。まったく」 「こ、この部屋……電気あったの!?」 「当たり前だろう。定期的にこの部屋の維持のために点検に来ていたんだから」 パチッとスイッチを押す音と同時に、本当に電気がついた。 制服姿のお兄ちゃんが腕組みをしてこっちを見ている。