もっと伝えたいことはたくさんあるけれど、言葉にならなくて、私は虹くんにギュッと抱きつくのが精一杯だった。 「今日はずいぶん大胆じゃない? そんなに会いたかった?」 「……会いたかった……っ、ずっと……忘れたことなんてないもん……」 あの時の男の子が、虹くんがここにいるんだもん。 「それは俺のセリフだから先に言わないで?」 同時に顔を見合わせて、私と虹くんはお互いに笑い合った。