はぁっ、はぁっ……!!


無我夢中で外まで逃げてきた私と虹くんは肩で呼吸をしていた。



「……あぶねっ。見張り増やしすぎだろ」


「……ホント……深恵くんの他に、あと何人いるの!?」



寮の敷地内ではあるけれど、外に出てきちゃ部屋を探せないかもしれない。


それに、今私の心臓は全力で逃げてきたこと以外にも、虹くんの言葉にドキドキして、苦しいくらいだ。



「戻るしかないだろ」


「そうだよね。部屋を探さなきゃ……って。あれ……?」



不意に見上げた私の視界に飛び込んできたのは、『塔の上の部屋』だ。


翠が言っていたウワサを思い出した。