「コラー!! 消灯時間は過ぎてるぞ! 誰だ、そこにいるのは!」 ゲッ!! 階段の上からこちらを覗き込んでいる見張り番の影。 やばい……!! ここで逃げなきゃミッション失敗だ! どうしよう……!と、ビクビクしていた私に、 「俺はもうとっくにお前のこと好きだよ? だから、目標達成」 「っ、」 そう言って、慌て出す私の手を繋いだ虹くんは、強引に走り出した。 私を連れて、夜の帳が降りる外へ──。 ねぇ、虹くん。 やっぱり呪いなんかじゃないと私は思うよ。