魔女という単語に遠い記憶が開く。

それでも今は不思議と怖くない。

虹くんの姿を瞳に映せば、心はとても穏やかだ。



「最後までちゃんと読んだのかよ」



いつもと比べて数段低い声に、



「えと……今読む!」



慌ててカードに目をやった。



【※秘密に繋がる鍵を集めるのも、終焉を迎えます】

【※慎重に取り組んでください】



秘密に繋がる鍵……。



「ひ、秘密って、なんのこと……?」



さっぱりわからない私は首を傾げた。

それに、この寮にどうして魔女の部屋というものがあるのか疑問でしかない。


この707号室も、『魔女の住む棟』と呼ばれる場所にあるし……。