【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2



「それに俺、あんたが昨日エスポワールの裏口で虹と抱き合ってんの見てんだよね」



そこまで見られていたのか……。



「虹のテリトリーに入れたからって、何でも探っていいわけないだろ?」


「違うよ……っ、 私は、虹くんが心配だったから!」



探ってるなんて言い方は侵害だ。



「はっ。お前に何がわかんの?」



私に顔を寄せた深恵くんは冷たい笑みを浮かべた。



「虹が背負ってるもん、お前に降ろせるわけがないだろ」



棘のある声に、私はスカートの裾を握りしめた。


虹くんが背負っているものを、私はまだ知らない。

降ろせるとも、一緒に背負うとも、そんな大層なことだって言えない。


……それでも、



「……わからないよ。わからないことばかりだよ!それでも虹くんを知りたいよ!深恵くん言ってたじゃん……私に、正面からぶつかれって。それで昨日……虹くんが心配で、消えちゃいそうで、抱きしめたくなったんだよ!」