「なんで私が深恵くんに逮捕されなきゃいけないの!?」
誤認逮捕もいいとこだ!!
「当然だろ。そうでもしないとあんたは逃げるし? そんで、今日こそは洗いざらい吐いてもらう」
「ちょちょ……っ、離して!」
「離さねぇ」
問答無用でずるずると正門とは反対の方向へ私を引きずっていく。
なんだこれは!!
刑事にでもなったつもり!?
「待ってよ……っ、私はこんなことされるような悪事を働いた覚えはありませんよ!!」
人気のない場所まで来ると腕を解放された。
──ドンッ!
「……ヒッ!!」
私の身体を閉じ込めるように壁に手をついた深恵くんの表情は、いつもみたいにヘラヘラなんてしてなくて……。



