【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2



来た道を全速力で走りながら私は思う。

お母さんとの距離は私が作った物だ。

逃げて、逃げて、どこまでも逃げ続けて。


自分の殻に閉じこもって、情けない自分の姿を見られたくない一心で。


それでも、お母さんの愛はいつだって私へ真っ直ぐに注がれていた。


逃げずにお母さんの目を見つめれば、こんなにも温かい母の愛は変わらずにあるのだと気づいた。


ホントはもっと話したいことも伝えたいことも山ほどあった。


……でも今は、虹くんを追いかけている。

そうしたい気持ちが私を突き動かす。

虹くんをひとりになんかしたくないから。


エスポワールへと続く十字路まで走ってくると、ポツリと佇む虹くんの姿を見つけた。



「……虹くん!」