「……っ、」 じわじわと全身が熱くなって、言葉が出てこない。 すっと離れていく虹くんの顔をまともに見れなかった。 あれだけ塩だと思っていた虹くんに翻弄されて、ドキドキさせられている。 「……引換券いつまで握りしめてんの? 早く行くぞ」 私はぷいっと背中を向けた虹くんの後ろ姿をただただ見つめていた。 ドキンドキンと自分の心臓の音が聞こえる。 虹くんを彩るひとつひとつが、私の心を動かす。 ──この気持ちは、恋だ。